体によく効く草木染

古くから染料として使われてきた植物の多くは、薬としても、用いられてきたものがほとんどです。
昔の人は、植物の美しい色で身を飾ると同時に、自分や家族の健康を願ったのでしょう。
子供の産着に藍や紅花で染めた布を使うという慣習も各地にあったようです。

そこで、伝統的な生薬のなかから、主な染料植物をピックアップしてみました。

(青系) 日本で栽培されているタデ科の蓼藍。 たで藍

生薬名:”藍実 らんじつ”薬効:解熱、解毒 種子を煎じる。
沖縄などで染められるキツネノマゴ科の琉球藍。
生薬名:”板藍根 ばんらんこん” 薬効:解熱、解毒、止血 根を煎じる。
インドから東南アジアにかけて使われる、マメ科のインド藍(木藍)
生薬名:”青黛 せいたい”
薬効:解熱、消炎、解毒、止血 色素を取り出して乾燥させたものを用いる。

あかね
アカネ(赤系) アカネ科のアカネの根

生薬名:”茜草 せんそう” 薬効:浄血、止血、月経不順など。根を煎じる。



ベニバナ(赤系) キク科のベニバナの花 紅花

生薬名:”紅花 こうか” 薬効:通経、浄血作用。
婦人病、冷え性、更年期障害などに。 紅花油はコレステロールを下げる。
インドのアーユルベーダでは、種子を利尿、強壮薬に。


ムラサキ(紫系) ムラサキ科のムラサキの根 むらさき

生薬名:”紫根 しこん” 薬効:外用して火傷、湿疹などに。
江戸の医学者、華岡青洲が考案した”紫雲膏”が有名。
内服して、解熱、解毒、麻疹予防などに。




ウコン(黄系) ショウガ科のウコンの根茎。うこん
生薬名:”鬱金 うこん” 薬効:利尿、肝臓炎、健胃など。
カレーの香辛料、タクアンの色つけにも。
仏教僧の黄衣はベンガルウコンで染められる。
インドネシアの民間薬”ジャムウ”でもよく使われる。



ザクロ(黄系) ザクロ科のザクロの果皮。
生薬名:”石榴 せきりょう” 薬効:下痢、止血、寄生虫駆除など。
タンニン成分を多く含むため、インドでは下染めによく使われる。

キハダ(黄系) ミカン科のキハダの樹皮。
生薬名:”黄檗 おうばく” 薬効:内服して、健胃、整腸、消炎に。
外用薬として、打ち身、捻挫にシップする

ミロバラン(黄系) シクシン科ミロバランの実。
生薬名:”訶子 かし” 薬効:腸出血、子宮炎など。
インドから東南アジアにかけて、下地染めなどに用いる。
チフス菌、ブドウ球菌を強力に抑制。 アーユルベーダでも古くから薬用に使われている。

などなど、ほとんどの染料になんらかの薬効があると考えてもいいでしょう。
実際に、科学的な抗菌性を調べる試験でも、
明らかに、細菌の繁殖を抑える効果が認められるものも多いようです。
また、染めたものを身に付けることによる、アロマテラピーの効果も考えられます。
最近では、ヨモギで染めた肌着が、アトピーにいいという話も耳にします。

ちなみに、わたしは子供が生まれたとき、自分で染めた藍の産着を着せました。
ただ、赤ちゃんには真っ白な産着という固定観念からか、
病院の看護婦さんたちには、すこぶる不評でしたが…(^^;)

でも、美しい草木の色を身につけることで、健康になれるなんて、一石二鳥でうれしいことですよね。
一番、ご利益があるのは、染めてる本人かもしれませんが(^^)