アジア布通信

月1回お送りしている、アジアの布をテーマにしたメールマガジン”アジア布通信”を
再編集したページです

アジアの色アジア布通信 第13号より

アジアの布好きにはうれしいことに、
最近は街のエスニック屋さんなどでも、
天然染料で染めた布を目にすることが多くなりました。
でも、たいてい表示は”草木染め”としか書いてないんですよねー。
染織に携わるものとしては、もう少しつっこんで
何で染めてあるのか知りたーい!と思ってしまいます。
そこで、今回は”アジアの色”と題して、
アジア各国で使われる天然染料をテーマにお送りします。

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草木染めは、青、赤、黄の色の三原色に黒をプラスして、
その組み合わせによって、ほとんどの色を出すことができます。
それに、その国独特の色(日本ならムラサキとか)が加わって、
特徴的な色使いが生まれます。
アジア各国で伝統的に使われてきた染料を、
色別にまとめてみました。


世界中の民族で、青を染める染料として””が使われてきました。
しかし、”藍”は非常に多様な植物で、
各地域によって使われる”藍”の種類は違ってきます。

  日本や韓国では、すくもにも加工されるタデ科の「蓼藍」。
中国の雲南省などの少数民族では、チャイニーズウォードとも呼ばれる
アブラナ科の「大青」や、琉球藍と同じ種類のキツネノマゴ科の「馬藍」。

インドネシア及び、タイ、ラオスなどのメコン流域の国々では、
マメ科の「インド藍」と「琉球藍」の併用。
また、タイのカレン族などでは、ガガイモ科の「ソメモノカズラ」という
植物も使われるそうです。
ブータンではラムと呼ばれる「琉球藍」、
インドでは、もちろんかつては世界中に輸出された「インド藍」が主流です。
蓼藍蓼藍 琉球藍琉球藍 インド藍インド藍



アジアの赤の染料で代表的なものは、
”、”紅花”、そして”ラック”でしょう。

なかでも、”茜”は現在でも広く使われている染料です。
茜にも、いくつか種類があり、日本から北方アジアに分布する「日本茜」と、
インドから東南アジアに分布する「西洋茜」などがあります。
どちらも根を染料としますが、
西洋茜のアリザリンという赤色色素に比べ、
日本茜のプルプリンという色素は色が濁りやすく、
鮮明な赤を染めるにはより手間がかかります。
また、インドネシアのイカットやバティックを染める、
スンティと呼ばれる茜は、「ヤエヤマアオキ」という木の根っこです。

紅花」は原産がメソポタミアの植物で、
シルクロードを通って、飛鳥時代のころ日本に渡来したといわれています。
アジアにおいては、日本や中国で栽培されています。

ラック」は特定の木に寄生した、介殻虫の一種が分泌する液が固まったもので、
強く鮮明な赤が染まります。
ラック虫はかつてはラオスからブータン、インドまでの広い範囲で飼育され、
その赤は僧衣や聖布に使われていました。
しかし、今では生産量が減り、
染料自体がなかなか手に入らなくなっているということです。
日本茜日本茜 西洋茜西洋茜 紅花紅花


黄色を染める染料は多く、その種類は地域によって千差万別です。
あえて代表的なものをあげると…。

まず、日本では、黄八丈にも使われる「刈安」、「黄檗」、「ヤマモモ」など。
沖縄などで使われる「福木」。
メコン流域から、インドにかけて、僧衣を染める染材でもある「ミロバラン」。
香辛料としても重要な「ウコン」。
下染めにも使われる「ザクロ」など。
どちらかというと、庭木や街路樹など手に入りやすいものが使われています。
刈安刈安 ウコンウコン

三原色の染料について、簡単にあげてみました。
他の色については、又の機会に調べてみたいと思います。
お楽しみに!