アジア布通信

月1回お送りしている、アジアの布をテーマにしたメールマガジン”アジア布通信”を
再編集したページです


アジア布通信 第15号より
「バン.ライ.パイ.ガーム(美しい竹の村)」

今月はタイはチェンマイのインターネットカフェからの発信です。
うちのホテルの徒歩5分以内に5〜6軒はインターネットカフェがあるので、
通信環境はまったく心配するほどのことはありませんでした。
やー、便利な世の中になったもんですねー(感涙;;)

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今日は、かねてからの念願だった、チェンマイ市郊外にある、
手織り手つむぎの村”バンライパイガーム”を訪ねる事にしました。
”バンライパイガーム”はチェンマイから車で1時間半ほどの、ジョムトーンという街にあります。

ジョムトーンまでは、ローカルバスもありますが、
そこから、またかなり郊外にいかなくてはならず、
ちょっと高つきますが、チェンマイから車をチャーターした方が無難だということでした。

朝の9時に、運転手兼ガイドのリーさんにピックアップしてもらい、
ジョムトーンに向かいました。
チェンマイからジョムトーンまでは、2車線の広い道路で、なかなか、快適なドライブです。
天気がよければ、郊外の田園風景や、チェンマイ盆地を取り囲む山々の連なりが、
さぞや、美しかったことでしょう。
けれど、あいにくの雨!
時々、水溜まりの水を屋根からかぶったりして、
節約のため、トゥクトゥク(タイの三輪タクシー)で行こうかという考えを
実行に移さなくてよかったと、つくづく思いました。

ジョムトーンの街を抜け、しばらく走ると、
早速、道端に手つむぎをしているおばあちゃん達を発見!
高床式の住居の下で、暑さを避けながら作業するのが、タイ式です。
シャイなおばあちゃん達の写真を取らせてもらった後、
そこからもうすこしいったところの”バンライパイガーム”へ向かいました。

バンとはタイ語で”村”、ライは接続語で、
パイは”竹”、ガームが”美しい”で、
”美しい竹の村”という意味になります。
入り口には小さな木の門があって、
そこから建物までの道沿いに
ずっと竹が植えられていて、
まさに言葉どおりのエントランスでした。

 工房の建物はトラディティナルなタイの建築様式で、
1階が織り機がずらっと並んだ工房とショップ、
2階が、この村を建設し、
タイの伝統染織の保存と復興に生涯をささげた染織家、
サンダバシット夫人の記念館になっています。

サンダバシット夫人は、このジョムトーンの地に生まれ、
幼いころから、祖母から伝統の染めと織を学びました。
タイが、経済的に発展し、染織が機械化されていった中で、
手つむぎのタイ在来種の綿糸と、天然染料にこだわった布作りを続けました。
また、後継者を育てる事にも尽力し、タイ王室からも数々の褒章を受けています。
彼女はすでに亡くなりましたが、その精神は、この地に今も息づいています。

織の工房のそばに染め場があり、
染材が山積みになっていて、すかさずチェック!
染料

藍は、 カームと呼ばれるインディゴを
泥藍にしたものを、
素焼きの蓋付きのかめにいれて保存してありました。泥藍

赤はラック虫、
ピンクとパープルは
マイファーンと呼ばれる蘇芳、
茶系はプッコーと呼ばれる木の皮、
黄色はカヌンと呼ばれる
ジャックフルーツの木からとるそうです。
また、黒はマクルアと呼ばれる黒檀の実を
10年から20年の間寝かせた液で染めるそうです。


糸の煮染め
ちょうど、糸の煮染めをしているところでしたが→、
糸をかける鉄の鉤を一緒に煮込んでいて、
これが、媒染剤の役目もしているのかもと
思いました。


また、屋敷の周りには、
これらの染材となる木も植えられていて、
さながら、染料植物園のようです。

一通りの作業をみたあと、2階の記念館に向かいました。
ここは、サンダバシット夫人が生前暮らしていた部屋を
そのままに保存したもので、
一昔前のタイの農村の暮らしぶりがわかるようになっています。
一緒にいったガイドのリーさんもすごく懐かしいと感激していました。
小さな座卓に食事のお茶碗がならんでいて、
なんだか、ほのぼのした雰囲気にひたれます。

バンライ手織り布
shopの布

そして、壁には、夫人が生前織った布の数々が、
額にいれらて飾ってあります。
自然染料ならではの繊細な色づかい、絣や縞を取り混ぜた新鮮なデザイン、
そしてその、丁寧で細心の注意を払った仕事を前にして、
背筋がピンとのばされるような気がしました。
本当にきてよかったと思いました。