アジア布通信

月1回お送りしている、アジアの布をテーマにしたメールマガジン”アジア布通信”を
再編集したページです

かさねのいろめ
〜アジア布通信 第3号 より〜  

ファッションの世界では、世界的に活躍する日本人デザイナーが多いですね。
でも、たまに雑誌などで、 ”日本人は色で遊ぶ着こなしがニガテ”
なんて記事がのってることってありません?
これって、ちょっと首をかしげたくなる定説です。
だって、日本には、何千年の歴史をもつ色遊びの伝統があるんですから…

ここでは、最新トレンドにも応用できる
平安王朝から、伝わる究極のカラーコーディネート術、
”かさねの色目”についてご紹介します。

源氏物語絵巻
”かさねの色目”は、
平安時代の宮中で使われた配色形式で、
装束や調度品など、あらゆるものに当てはめられました。

その配色は、四季折々の自然や動植物の色彩と、
密接に結びついています。  
季節の移り変わりの微妙な色彩の変化まで、
逃すことなく取り入れた結果、
その数は今に伝わっているだけでも、
200種以上になります。    
四季を通じて使える配色もありますが、
ほとんどは、使う時期が限定されており、
いかに、その時候にあった色目の衣装を調えるかは、  
当時の貴族にとって、非常にセンスと教養を問われることでした。

そして、そのセンスと教養の有無が、
出世にまで影響する死活問題だった当時の文化において、
単なる色遊びが、色彩芸術と呼べるレベルにまで高められたのも頷けます。

”かさねの色目”にはいくつかの種類があります。

まず、あわせの着物の表地と裏地の布の配色を楽しむ”重ね色目”、  
十二単のように着物を重ね着していく時の”襲(かさね)色目”、  
”織色”と呼ばれる、縦糸と緯糸の色の違いで、玉虫色の効果をだすもの。

ここでは、”重ね色目”を中心にお送りします。
さて、”かさねの色目”で重要なのが、その素材です。  
平安貴族が着たものですから、当然素材は絹、  
それも、最上質の薄手の絹織物になります。
ですから、表と裏に違う色の布を使って仕立てた場合、
表の絹地をかすかに通して、裏の地色が透けて見えることになります。

ここが、ポイントです。たとえば、”桜”という色目の場合、
表が「白」で、裏が「赤」。
これを、ベタで見ても、日の丸みたいにしか見えません。

しかし、表の「白」の上質な絹地から、裏の「赤」がほんのりと浮かび上がって、
柔らかなピンク色になっていると想像してみて下さい。
まさに、”桜”の花の風情ではありませんか?
シフォンやオーガンジーの薄物にも応用できそうでしょう?

季節ごとの、かさねの色目の色見本はこちらです↓

かさねのいろめ 

かさねのいろめ 

かさねのいろめ 

かさねのいろめ 

かさねのいろめ 四季通用