アジア布通信

月1回お送りしている、アジアの布をテーマにしたメールマガジン”アジア布通信”を
再編集したページです

インドミラー刺繍  〜アジア布通信 第2号 より〜            

ここ数シーズンのパリコレ、ミラノコレでも、 70年代ファッションの流れから、
ミラー刺繍をフューチャーした服や小物が、たくさんでていました。
インド、グジャラート州のミラー刺繍についてのレポートです。インドミラー刺繍


インドのミラー刺繍は、主に、 西のラジャスタン州、
グジャラート州の砂漠地帯で作られています。
インドは高温多湿の国であり、
特に砂漠地方では気温差が大きいため、
布は非常に傷みが速くなります。
そのため、これを補強し再利用するために、
刺繍やパッチワークが発達したわけです。
また、その強い色彩は砂漠の生活の中にアクセントを与え、
刺す模様によって家族の幸せを願う気持ちを表しています。

★インドグジャラート州カッチ地方★

Location

97年にそのグジャラート州カッチ地方を旅する機会をもちました
カッチ地方は、パキスタンと国境を接するインドの最西端に位置します。
南はインド洋に面し、北と東はカッチ湿原と呼ばれる広大な湿地に囲まれています。
気候は乾燥した砂漠気候で、夏は45度以上冬は2度まで気温が下がる厳しい風土です。

カッチ地方は古くから、その手工芸の素晴らしさで有名です。
刺繍、パッチワーク、絞り染め、ハンドプリント、木工芸などが、
インド国内のみならず、海を超えて取り引きされてきました。
砂漠や湿地の中に点在する村々には、それぞれ固有の文化を持った
少数民族が住んでおり、各村ごとに特色ある手工芸が見られます。
今回私達が訪ねたのは、カッチの商業の中心地であり、
今なお中世の城塞都市の面影をとどめる、”Bhuj(ブジ)”とその周辺です。

カッチの刺繍は300年ほど前に
シンド地方(現パキスタン)からきた
イスラム教徒によってもたらせられたと言われいます。

その後、結納の際の持参金の代わりとしてインドミラー刺繍:Chakla
用いられるようになりました。
形態としては、"Chakla"と呼ばれる
正方形の壁掛け、
"Toran"と呼ばれ玄関に飾られる暖簾などがあります。
刺繍のモチーフはヒンズー教の寺院、花、鳥、象、
クジャク、サソリ、マンゴーの木、太陽などです。
その他に、ブラウスの胸当てや
"Gagahra"(スカート)の裾や
子供の帽子などにも使われます 。

 

各部族による刺繍の違い

Moti(Ari) 

もともと皮職人から始まった 商人階級のMoti共同体によって作られる。インドミラー刺繍:Moti   インドミラー刺繍:Moti

Rabari
インドミラー刺繍:Rabari

遊牧の民。カッチでは
2,000~3,000のファミリーがいるが、
その70%が放牧をして暮らしている。
ラバリーの女性はその豪華さ
印象的な刺繍で知られる。
緻密なクロスチェーンステッチと
様々な形のミラーを使う。
モチーフは花、オウム、クジャク、人、動物など。

インドミラー刺繍:Rabari

 

Ahir 

北から移住してきた民で農業に従事。
彼らの刺繍はラバリ−と似ているが、ミラーは円形のものだけを使う。
アウトラインはチェーンステッチを使い、中をヘリンボーンステッチでうめていく技法。
インドミラー刺繍:Ahir

Soof インドミラー刺繍:Soof

パキスタンからの移民。Baniに住む。
サテンの糸を使い布の裏から針を入れて正確に経糸、緯糸を数えて刺す。
仕上りは織物のようになる。


 

Kathi

地主階級。シンプルな菱形、三角形の幾何学模様で構成される。
長いダ−ニングステッチで撚りのかかっていない絹糸を用いて刺す。  
針の運びの方向を変えて刺していくので単色でも変化のある仕上りになる。

インドミラー刺繍:Kathi    インドミラー刺繍:Kathi

 

Patel

シルクの糸で刺繍した花や鳥の華やかな模様。赤、黒、白の3色のふちどり布が特徴。

インドミラー刺繍:Patel     インドミラー刺繍:Patel


おすすめサイト


「ahmedabad.com」


グジャラート州の中心都市アーメダバードの情報サイト。
クラフトやお祭り情報など、旅に行くときの参考に。

*2000/2/20*(c)Azusa Fukushima