染織ライブラリー

世界の布神話

ギリシャの布神話ギリシャ神話

studio 運命の3女神(モイラ) 

掟の女神テミスの娘である、
クロートー、ラケシス、アトロポスのモイラ達の役目は、
人間の運命の糸を紡ぐことだが、また同時に大きなハサミをもっていて
自分達の気の向くときに、その糸を断ち切ることもできる。


studio 知恵の女神アテーナーと蜘蛛に変えられた娘アラクネー

ゼウスの娘であるアテーナーは、
知恵と共に、 技術の女神でもあり、 機織を司った。

アラクネーは機織の技にかけては 近隣に並ぶものはいない娘だった。
その技は、アテーナー女神がみずから
彼女におしえたのではないかと思われるほどだったが、
思いあがった彼女は、アテーナーの弟子と思われることさえ厭った。
そして、女神と技を競っても、勝つ自信はあると公言した。

女神アテーナーは、老婆に姿を変え、 彼女に忠告したが、
アラクネーはそれをはねつけた。
そこで、女神は即座にもとの姿にたちかえり、
その場で、アラクネーと、機織の技を競うこととなった。

織り上がった布は、どちらも見事な出来栄えだったが、
アラクネーの織った布は 神々の失敗や間違いを、
これ見よがしにあざわらうような 題材を織り出したものだった。
そのため、この侮辱に怒ったアテーナーは、 その布を引き裂き、
彼女を蜘蛛の姿に変え、
この先、永遠に糸にぶらさがり続けるようにしたのだった。

studioペネロペーの織物 

スパルタ王の娘ペネロペーは、オデュッセウスの妻だった。
しかし夫はトロイア戦争に召集され、あまりにも長い間音信不通だったため、
もはや生死さえさだかではなくなってしまった。

そしてその間に、ペネロペーは、多くの求婚者たちからしつこく結婚をせまられ、
もはや、断るすべをもたないようにも思われた。
しかし、夫の帰りを信じる彼女は、
夫の父ラーエルテースの棺衣を織る仕事に際し、
その布が織りあがったら、 自分は求婚者の中から誰かを選ぶことにすると宣言した。

そして昼間はその布を織り、 夜には昼間織った布の糸をほぐして、
永遠に織り上がらない布を織り続け、 夫が帰るまでの引き延ばしの手段とした。
結果オデュッセウスは無事帰還し、その努力は報われるが、
「ペネロペーの織物」という言葉は、
断えずしているがけっして仕上ることのないものを 表すことわざとして、
今日でも用いられている。