インドネシアの布神話
バリ島テンガナン村のグリンシン(経緯絣)
グリンシンとは経糸と緯糸の両方に防染して、文様を織り出す絣布で、
インドのパトラと共に世界的に貴重な布である。
この布は、その中心的な染色である”茜染め”だけでも
5〜8年かかるという長く複雑な工程をへるため、
インドネシアでは、その布をひたした水を飲むだけで
病がなおるとさえいわれるほど、
聖なる力に満ちた布といわれる。
これはバリ島東南部のバリアガ(バリ原住民)の村である
テンガナン村で織り継がれている。
この布の製法は、 テンガナンの最高神である
”インドラ神”から伝えられたといわれている。
インドラ神が、ある夜、満天の月と星空の下で、宴会を開いていた。
見上げた夜空のあまりの美しさに、心を動かされたインドラ神は、
その美しい天空の模様を布に写し取ることを思いたち、
テンガナンの女性達にその方法を教えたという。
この布の色である白、黒、赤は
それぞれヒンズー教の三神すなわち
シヴァ神(白)、ヴィシュヌ神(黒)、ブラフマー神(赤)を
象徴するともいわれる。