染織ライブラリー
世界の布神話
日本神話
アマテラスの岩戸籠り : (古事記)より
ある日、アマテラス神が、 織屋で神に捧げる、神聖な衣装を織っている時に、
弟である乱暴者のスサノヲ神が、その屋根に穴をあけ、
そこから皮をはいだ、馬の死体を投げこんだ。
それに驚いた織女たちは、陰部を梭でついて死んでしまった。
その事件に怒ったアマテラス神は、
天の岩屋に隠れこもってしまった。 その結果世界は闇と混沌におおわれた。
この神話にあらわれている"神の衣を織る"という儀式は、
今でも伊勢神宮で続けられている。
伊勢神宮では、毎年五月と十月の十四日、
皇大神宮(こうたいじんぐう 内宮)と
荒祭宮(あらまつりのみや 別宮)に
絹布(和妙:にぎたえ)と麻布(荒妙:あらたえ)を
糸、針などと共に "神御衣"としてお供えする祭りがある。
絹布は、松坂市大垣内町の 神服織機殿神社
(かんはとりはたどのじんじゃ:下機殿)で、
麻布は、松坂市井口中町の 神麻続機殿神社
(かんおみはたどのじんじゃ:上機殿)で奉納される。
作業は、両所とも五月、十月の一日より始まり、
絹は女性、麻は男性の織子の手によって
十四日の"神御衣祭"に間にあうように
巾一尺(約33p)長さ四丈(約13m)の布に織られる。
そしてこの神に捧げる布を織る儀式は、
かつて日本各地の村々で行われていたらしい。